おできとは?イボ・粉瘤との違いはなに?治らないおできを放置してはいけない理由

おできとは?イボ・粉瘤との違いはなに?

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皆さんは、「おでき」に悩んだことはありませんか?おできが痛くても、忙しくて病院へ行きそびれていたり、お尻などにできると治療を受けるのも恥ずかしかったり。そのため、そのまま放っておいている人も多いのではないでしょうか。私、水野春子も「おできに悩んでいます。」という相談をよく耳にします。しかし「おでき」と一概に言っても、その症状や発生してしまう箇所は人それぞれですよね。人によってその認識はさまざまで『そもそもおできって何?』と疑問を持っている人も少なくないはずです。皮膚がぼっこり腫れあがった状態や、赤く膨らんでいる皮膚の腫れ、皮膚の中に硬いしこりができている状態など、いろいろな特徴がありますが、それを全部まとめて「おでき」という言葉でひとくくりにしてしまっている傾向が高いようです。

それは、本当おできなのかイボやニキビなのかも、ちゃんとした確信のないまま、一般的になんとなく「おでき」と呼んでいるのです。

しかし実はその「おでき」、一様におできと言えども、それぞれ違う皮膚の病気の場合が多いのです。なぜなら、そのおできの発症原因や症状は全く異なるから。ちょっとした「おでき」でも放っておくと、ますます悪化するものもありますから、きちんと対応することが必要です。そのためには、まず「おでき」についての知識を身につけなければなりません。自分の体にできたおできは一体、何者なのか?を一緒に考えて、適切な対処や治療法を学んでみましょう。

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はるこさん
こんにちは!水野春子です。それでは皆さんを悩ませている「おでき」について学んでみましょっ!「おでき」に悩んでいる人は、実はとっても多いんですよ。誤った対処法や誤解がないように、正しい知識を身につけましょうね。

おできには、みんな悩まされています!



おできは、赤く腫れあがったり、痛みがあったり、できてしまう箇所も人それぞれのようですね。でもそのおできが何の病気なのか?をきちんと理解している人は少ないように感じます。

おできの特徴と種類は何があるでしょう?

おできの悩みと特徴から、その皮膚の病気の種類が何であるかを探ってみましょう。

皮膚がボコっと盛り上がって、その中にしこりがあるみたいです。赤くはないですが、少しずつ大きくなっているように感じます。痛みはないです。

そのようなおできの特徴がある場合は、粉瘤(ふんりゅう)=アテロームである可能性が高いです。そのような症状のしこりの正体は、皮膚や皮下の一部分が老廃物として皮膚の中に塊になって腫れてしまっている状態です。

皮膚がポツっと赤く腫れて、触ると痛いです。徐々に大きくなってしまっていて、ますます痛くなります。

痛みがあったり、赤く腫れあがってしまっているのは、細菌に感染している証拠。皮膚が炎症を起こしているから痛いのです。毛穴の中に細菌が入り込んで炎症を起こしているおできを「せつ」と言います。せつは、だんだんと腫れが大きくなって、ときには強い痛みを伴うのも特徴です。 

皮膚の中にぽっこりとしこりがあって、はじめは痛くなかったので放っておいたら、だんだんと赤く大きくなってきて、痛みを感じるようになりました。

最初は痛みのないしこりだったものが、大きくなるにつれて、赤く痛みが出てきているなら「炎症性粉瘤(えんしょうせいふんりゅう)」である可能性が高いですね。通常の粉瘤なら、ほとんど痛みはありませんが、大きくなっていく過程で、擦れたりすることでそこから細菌が入り、炎症を起こしている状態です。 

はじめは小さくポツっとしていましたが、徐々に皮膚の表面がザラザラとして硬くなり、白っぽくなって、皮膚が大きく盛り上がってきてしまいました。

徐々に大きくなりザラザラした灰白色で、盛り上がったものであれば、それは「イボ」である可能性が高いです。よく手足の指や足底にできるので、タコやうおのめなどと間違えられることもあります。しかし、イボはウイルスが原因でできる皮膚の腫れなので、タコなどとは全く別ものなのです。 

鼻の頭に、ニキビのような赤い腫れができました。触ると痛くて、とても気になります。

顔の一部、主に鼻周辺に発生して、赤くポツっと膨れ上がっているのでニキビのようですが、痛みを伴うのであればそれは「めんちょう」である可能性があります。ニキビと症状が似てるので、気づかない人も多いようです。でも、めんちょうは、放っておくと大きな病気にもつながる可能性のある皮膚の病気ですから注意が必要です。

一般的に「おでき」でひとくくりにされているものでも、このような全く別の皮膚の病気である可能性が高いのです。自分の体にできているおできが何なのか分からなければ、正しく治療することもできませんよね。正しい知識を身につけて、皮膚の病気が悪化する前に、きちんと対処しましょう。

「おでき」と呼ばれている、主な皮膚の病気

  • 粉瘤(ふんりゅう)=アテローム
  • せつ
  • 炎症性粉瘤(えんしょうせいふんりゅう)
  • イボ
  • めんちょう

 では、さっそくそれぞれの皮膚の病気が発症する原因とその対処法を見てみましょう。

治らないおできは「粉瘤(アテローム)」である可能性大

粉瘤(アテローム)とは?

そのうち勝手に治るだろうと思って放っておいたら、しこりは全く治らずに、むしろどんどん大きくなってきた。そんなおできは、「粉瘤(アテローム)」かもしれません。

粉瘤(アテローム)

皮膚の一部が皮膚の中に埋まり込んで袋状になり、その中には古い角質や皮膚の垢が少しずつたまっていきます。そのたまったものが、しこり(腫瘍)になってぼっこりと皮膚の下で膨れ上がってしまっている状態になると粉瘤(アテローム)となります。この皮膚の下にたまっている内容物が、粉のように見えるため「粉のこぶ」と書いて「粉瘤(ふんりゅう)」と呼ばれています。

そしてこの粉瘤(アテローム)は、表皮嚢腫(ひょうひのうしゅ)とも呼ばれています。これは良性腫瘍のひとつです。脂肪が固まったもののように感じますが、実は表皮でてきた腫瘍なのです。

粉瘤(アテローム)の腫瘍はなぜできるか?

皮膚は細胞分裂を繰り返して角質層になり、最後に垢になります。その垢になった状態の老廃物がたまって、大きなかたまりになっていくのです。このように皮膚はターンオーバー(肌の新陳代謝)を繰り返すので、取り除かないことにはどんどん大きくなっていくのです。

体のどこにできやすいのか?

皮膚の袋という構造ですので、皮膚があるところなら体のどこにできてもおかしくありません。特に、頭・首・耳・背中・お尻にできやすい傾向があるようです。また、同じところにできてしまったり、多発したりする人もいます。頭部にできた粉瘤「外毛根鞘性嚢腫(がいもうこんしょうせいのうしゅ)」や、小さな袋が体の一部に集中して、いくつも発症してしまう粉瘤「多発性毛包嚢腫(たはつせいもうほうのうしゅ)」と呼ばれるものもあり、その症状や発症箇所によっても様々な種類があります。

自然に消滅することはない

小さな粉瘤(アテローム)は、生活しているうちに勝手に潰れて、知らない間に膿を出してしまい、いつの間にかなくなっていることもあります。しかし、その状態は完璧に治ったわけではありません。その皮膚の中にある腫瘍が入っていた袋自体を取り除かなければ、再び皮膚の垢がたまり、再発することがあります。

粉瘤は根本的にその原因を取り除かなければ、完治することがないと言われています。

また、自然と粉瘤(アテローム)が潰れたときに、その中の膿が皮膚の周辺に広がると、さらに広範囲で発生し、悪化させる可能性もありますので注意が必要です。完治させるためには、早い段階で皮膚科で相談し、適切な治療を受けましょう。

良性の腫瘍ではあるが、放置しないほうが良い

粉瘤(アテローム)自体は、良性の腫瘍です。大きな病気にはつながりにくいとされていますが、できるだけ早期に医師の診察を受けたほうがいい理由があります。

粉瘤(アテローム)は、どんどん大きくなる可能性があります。

粉瘤(アテローム)は、放っておくとほんの数㎜だったものが、巨大化してしまうと数十㎝にまでなることもあります。皮膚の中で繰り返し垢を発生させ、老廃物をため込んでいくので、時間の経過とともにどんどん大きくなっていきます。

細菌に感染する前とひどい痛みを伴うことも。

また、粉瘤(アテローム)が、体の擦れやすい部分にあるなら要注意です。摩擦されたり、圧迫されたりするとそこから細菌が入り込んで、炎症を起こします。炎症を起こすと、赤く腫れあがり痛みを発生させます。この場合の粉瘤(アテローム)は、炎症性粉瘤(えんしょうせいふんりゅう)と呼ばれ、できるだけ早い段階での治療が必要です。

小さなおできは「せつ」と呼ばれる

「せつ」は顔・首・背中・太ももにできやすい

太ももや背中に突如、ポツリと赤く発症して、なんだか痛い……。そんなときは「せつ」である可能性を疑ったほうがよいかもしれません。「せつ」は、主に顔・首・背中・太ももにできやすい皮膚の病気です。背中などにできてしまうと、自分では見えないので対応に遅れてしまうことが多いようです。

「せつ」とは?

「せつ」は、皮膚の内部にある、毛包(毛の根本を包むところ)に黄色ブドウ球菌という細菌が入り込んで、赤く腫れあがってしまっている状態にある皮膚の病気のことを言います。せつは毛包の中で炎症を起こし、膿をためていき触るとぶよぶよと柔らかい状態になっていきます。細菌感染によって炎症を起こしているので、熱を持ち、痛みも感じてしまうのが特徴です。

皮下で連続してしまう状態を「よう」と呼ぶ

「せつ」は体の一部に連続するように、いくつも多発してしまうことがあります。このような状態になると「よう」と呼ばれます。

「せつ」は1本の毛が炎症を起こす病気、「よう」は複数の毛が炎症を起こす病気を指します。「せつ」が悪化して皮下で連続して発症し「よう」になると、より一層、膿をため込みますので痛みも大きく、治ってからも皮膚に跡が残ってしまう場合もあります。

一度除去しても再発率が高いのが特徴

「せつ」を治す方法として有効なのは、膿を取り出して治療することです。浅いところで発症し、まだ症状が軽い場合には、抗生物質の内服で治療できることもあります。しかし、痛みがひどく早期に治療させる必要があったり、炎症がひどくなっている状態だと、皮膚を切開して膿を出してしまうほうがいいときもあります。

ただ、再発性が高いことが特徴でもあるのが「せつ」です。再発防止のためには、幹部周辺の皮膚を清潔に保つことや、通気性が良い衣類に変えたり、締め付けたり擦れたりと、刺激を与えないようにすることがポイントです。小さな刺激から、かぶれたり、小さな傷ができるとそこからまた細菌が入り込んで、再発する可能性が高くなりますので、日ごろから清潔にしておくことが大切です。

イボとの違いって何?

「イボ」は、ウイルス性のものがほとんど

イボは、粉瘤(アテローム)とは全く異なり、ウイルス感染による皮膚の病気です。

イボの発症原因のウイルスとは?

そのイボは「ヒトパピローマウイルス」または「ヒト乳頭腫ウイルス」と呼ばれるウイルスが、皮膚の小さな傷から入り込んで感染してしまうのが原因です。イボの症状は、半透明の皮膚が盛り上がっていたり、ガザガザと硬くなって突起しており、だんだんと大きくなる可能性もあります。

なぜウイルス感染するのか?

「ヒトパピローマウイルス」は人間の体に存在するウイルスです。ですので、外部から感染することの他に、免疫力が下がったときに、もともと自分の体にあったウイルスが原因で発症することもあります。傷ができたり、擦れたりして肌が弱っていたり、紫外線の刺激を受けたりすると、皮膚の免疫力が下がってしまい感染しやすくなります。免疫力が低下したときには、皮膚を清潔に保つ工夫をしたり、食事や睡眠も気を配り健康的に過ごすことでも、イボの発症を予防することが可能と言われています。

イボは根本からウイルス除去する

イボは自然に治ることもありますが、ウイルスが他の箇所に転移したりすると、イボの数が増えてしまうこともあります。イボが発症したら早期に病院で治療し、根本からウイルスを除去してもらうのが効果的です。再発や感染の広がりを防ぐためには、専門的な治療が必要になります。

鼻にできるおできは「めんちょう」と呼ばれる

ニキビと間違えやすい!「めんちょう」とは?

鼻にできた、赤い吹き出物。鼻の頭にできると恥ずかしいと思ってしまう方も多いですし、なかなか治らなかったりすると、とても気になります。鼻全体が赤くなっていたり、痛みがある場合は、ニキビではなく「めんちょう」という皮膚の病気である可能性があります。「めんちょう」はニキビと、とてもよく似ているので見分けがつきにくいですが、発症する原因は全く別物なのです。

「ニキビ」の特徴

アクネ菌が発症の原因。毛穴に角質や皮脂などの老廃物がたまって、細菌が増殖し炎症を起こす皮膚の病気です。赤みがかっていてプツっと皮膚が膨れ上がっているのが特徴です。

「めんちょう」の特徴

黄色ブドウ球菌が発症の原因。毛穴に黄色ブドウ球菌という細菌が入り込んで炎症を起こす皮膚の病気。ニキビと違って、痛みを伴うことが多いです。細菌によって化膿しますので、じゅくっとなっているのが特徴です。鼻周辺も全体的に赤くなることがあります。間違えやすいですが、全く違う病気なので、きちんと対応できることが重要です。

オロナインH軟膏で応急処置を

発症してから初期の段階で、症状が軽度ならオロナインH軟膏がおすすめです。触ったり潰したりすると、悪化する恐れがあるので薬を塗って対処してみましょう。市販の塗り薬なので、お近くの薬局で気軽に手に入ります。家に常備している方も多いのではないでしょうか。オロナインH軟膏は、ニキビにもめんちょうにも効果的です。刺激を与えないように洗顔をして清潔にしてから、適量を優しく塗り込んでください。それでも症状が良くならない場合は、きちんと専門医の診断を受けましょう。

大きな病気につながる危険性も。早めに医療機関の受診を

鼻のまわりには、顔面神経や三叉神経などの重要な神経があり、それは脳へ伝わる神経にもつながっています。めんちょうが原因で、鼻の奥の神経に細菌が体内へ入り込んでしまうと、脳や脊髄などにも細菌が侵入し、大きな病気につながる可能性もあると言われています。めんちょうが原因で、脳炎や髄膜炎を引き起こしたという事例もあるようです。

どちらにしても病気を放っておくのは、良いことではありません。勝手に触ったり、治らないのに自己流の治療法で対処し続けたりはせずに、痛みが激しく症状がひどくなったりしたら、きちんと専門医から診断を受けたほうがいいでしょう。

自分で判断はNG。おできは放置しないで治療しよう!

「おでき」には、いろいろな種類があり、発症の原因はまったく異なることが分かったと思います。発症原因やおできの種類と症状に関して、多少の知識を身につけておけば、正しく対応することができます。自分で判断したり放っておくことはせずに、必要な段階になれば、専門医で診断を受けましょう。皮膚の病気は、完治するまでに比較的長い時間を要します。普段から肌の清潔を心がけ、できるだけ発症を防止していきましょう。

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はるこさん
「おでき」は、自分の判断で、放置してしまったりせずに、痛みがあったりするなら、医療機関で診断を受けるのがいちばんですよ。悪化する前に、適切な対応を心がけてくださいね!