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冬でも日焼け対策は必要!

夏の強い日差しから肌を守るために日焼け止めを塗って対策をする方は多いと思いますが、冬の日差しは優しく心地よいため紫外線対策をする必要はないのでは?と感じている人もいるのではないでしょうか。
確かに夏よりは紫外線は弱まりますが、寒い日や曇りの日でさえ紫外線は出ているんです。冬の日焼け対策をサボってしまうと、ジワジワとダメージが蓄積されて結果的に夏よりも肌を傷めてしまう可能性も。そんな怖い冬の日焼け対策を私水野が徹底解説していきます。
冬の紫外線ってどんなもの?
冬にも日焼け対策が必要と言われても紫外線は目に見えませんし、夏のように肌が黒くなることも少ないですからピンと来ませんよね。冬の紫外線と夏の紫外線にはどのような違いがあるのでしょうか。
紫外線の種類
紫外線と一言に言っても実は「紫外線A波(UVA)」「紫外線B波(UVB)」「紫外線C波(UVC)」の3種類があり、C波はオゾン層で吸収され、主にA波とB波が地表に届いています。
地表に届く紫外線の約9割を占めると言われるA波は、時間をかけて肌の真皮にまで入り込みコラーゲンやヒアルロン酸などに影響を与えるためシワやたるみなどの肌の老化を引き起こします。A波は窓ガラスなどもすり抜けるため、室内にいても紫外線対策が必要です。
B波は地表に届く紫外線の約1割と少ないように感じますが、浴びることでA波よりも早くその影響が表れます。帽子や日傘などである程度防ぐことのできる波長ですが、長時間当たるとサンバーン(炎症反応)やサンタン(色素沈着)を起こすこともあります。A波よりもB波の方が有害と言われており、皮膚がんや眼の病気の原因にもなりかねません。
冬の紫外線量
冬の紫外線A波の量は夏に比べればおよそ3分の1程度で、B波は夏の4分の1程度です。
B波が減少したことにより赤みなどの外見から日焼けをしてしまったことが分かりにくいですが、単純計算で冬に60分間日差しを浴びたとしたら夏の強い日差しを20分間浴びたことに相当しますので決して油断はできません。
紫外線の強い時間帯
月でみると、1月から弧を描くように紫外線量は増えていき7月がピークになります。
時間帯では太陽が真上に昇る12時が一番紫外線量が多く、10~14時も他の時間の倍近い数値になっています。
夏と冬でどれくらい違う?日焼け対策も変えたほうがいい?
冬の紫外線量は真夏のおよそ3分の1と、少ないように思ってしまいますが、冬のお肌は乾燥しているため紫外線の影響を受けやすくなっています。紫外線は水分を蒸発させてしまうので乾燥に乾燥が重なる悪循環に陥る可能性も。冬はしっかり保湿をしたうえで紫外線対策をしましょう。
冬の紫外線が肌に与える影響
冬でも十分な量の紫外線が放出されていることが分かりましたね。では具体的に冬の紫外線は体にどのような影響を与えるのでしょうか。
【肌】色素沈着によるシミ
紫外線を浴びることにより生成されるメラニン色素は、悪役と思いきや実はお肌を守る役目を果たしているのです。皮膚の表皮に存在するメラノサイトという細胞が紫外線を察知するとメラニン色素を作るよう指令を出します。このメラニン色素は紫外線を吸収し、日焼けによる肌の炎症を防いだり、DNAが傷つけられて皮膚がんになるリスクを減らすなど大切な働きをしています。
しかし強い紫外線を長時間浴びてしまうとメラニン色素が過剰に生成され、色素沈着を起こしシミやそばかすの原因になってしまいます。
【肌】老化の促進によるシワやたるみ
紫外線A波は肌の奥底へ入り込み、硬くゴワつきのある肌老化を引き起こします。加齢により肌の抵抗力が弱くなると紫外線による影響も受けやすくなり、深いシワやたるみなど老化を進める原因になります。
【髪】乾燥によるパサつき
体の中で最も太陽に近い位置にある頭。頭皮や髪の毛は顔に比べてなんと3~5倍以上の紫外線を浴びていると言われています。
髪の中の栄養分やツヤを保っているキューティクルは、紫外線を多量に浴びるとはがれやすくなり、髪の乾燥を引き起こします。また、カラーリングをしていないのに太陽の光で髪が赤っぽく見えるのは、髪が日焼けをしている証拠です。システィン結合と呼ばれる髪の強度を保つ働きも強い紫外線により切断され、切れ毛や枝毛が増える原因にもなるなど、頭は紫外線の影響をとても受けやすい場所と言えるのです。
【目】日焼けによる病気や老眼の促進
目はむき出しの臓器とも言われ、紫外線による直接的なダメージを受けやすい部分です。目に強い紫外線を浴びることで起こるとされている代表的な病例としては、黒目に傷がつき充血、痛み、涙が止まらなくなる「紫外線角膜炎」、黒目に白目が混ざりこんで来たような状態になる「翼状片(よくじょうへん)」、失明の危険性もある「白内障」などが挙げられます。
また、目には水晶体というピントを調節する役目を担う部分がありますが、年齢を重ねると弾力を失い膨らみにくくなることで近くの物が見え辛くなります(老眼)。水晶体は紫外線を浴びると活性酸素という、細胞を酸化させる物質を発生し水晶体の弾力を失わせ老眼を進行させます。


冬の紫外線から肌を守る3つの対策
対策を怠れば肌老化だけでなく病気を招くこともある冬の紫外線はとても怖いですね。では効率的に紫外線をシャットアウトするにはどうしたら良いのでしょうか。
ビタミンCを摂る
シミやそばかすの原因となるメラニン色素が過剰に生成されるのを抑え、肌にハリを与えるコラーゲンなどの生成を促してくれるのがビタミンCです。ビタミンCには抗酸化作用もあり、細胞を酸化させ肌の老化を進行させる活性酸素の働きを弱める効果も期待できます。
ストレスや喫煙などにより消費しやすく、空腹時や一度に多量に摂取しても吸収率が悪く非効率的です。厚生労働省が定める1日の摂取目安は100㎎程度ですが、健康を維持するためには800㎎、美容のためには1000mgなど、その目的によって十分量は異なります。
食事から摂取する
ビタミンCが多く含まれる食物と言えば真っ先にレモンなどの柑橘類を思い浮かべる方が多いと思いますが、柑橘類には紫外線を吸収するソラレンが含まれているため、これを摂取して日光を浴びてしまうと余計に日焼けやシミの原因を作ることになってしまいます。
ビタミン類を豊富に摂取できる食材としてオススメしたいのがトマトです。トマトに含まれるリコピンは活性酸素を除去しシミやシワなどの肌老化を抑えたり、メラニンの前段階であるチロシンにチロシナーゼが働くことを阻止し、メラニンが過剰に生成されるのを防ぐ働きがあります。
リコピンは加熱することで増加し、さらに牛乳と合わせることで吸収率もアップします。トマトジュースやトマトリゾットなどで取り入れるのもおすすめです。
サプリメントから摂取する
食事を気を付けるとともに、サプリメントを上手に取り入れることでさらに効果的な紫外線対策をとることができます。ビタミンCだけに偏らず、互いを引き立てあう栄養分を配合したマルチビタミンがおすすめです。
野菜や海草など、天然の素材で作られた安心のサプリメント。じっくり時間をかけて溶かされ、ビタミンをより長時間体内に留めておける工夫はナチュレならではです。
日傘をさす
日傘にも様々な種類がありますが、紫外線対策を目的に選ぶなら「UVカット傘」、眩しさや暑さを凌ぐなら「完全遮光」など、遮光率の高いものを選びましょう。
また、色によってもUVカット率が若干左右されます。黒は光を吸収するので眩しさや紫外線を抑えることができます。反対に白やシルバーは光を反射させるので、日傘の表面が白やシルバー、裏地が黒いものを選ぶのがおすすめです。
SPFが低めの日焼け止めを塗る
日焼け止めに表記されている「SPF」は紫外線B派を防ぐ時間を示したもので、何も塗らない状態の肌と比べて、日焼けが始まるまでの時間を何倍に伸ばせるかを表しています。
(例)紫外線を浴び始めてから日焼けの症状が出るまでに20分かかる人の場合
SPF10なら20分×10倍で200分
SPF20なら20分×20倍で400分も日焼けが始まるのを遅らせることができます。
15分で日焼けをしてしまう人ならば、SPF10だと15分×10倍で150分になります。
SPFと並んで必ず表記されている「PA」は「+」の数が多くなるほど紫外線A派を防ぐ効果が高くなります。PA+ではA波を2~4分の1程度に、PA++++では16分の1程度に抑えることができるとされています。
SPFの数値が高ければより長い時間紫外線を避けることができますが、その分肌への負担は大きくなります。冬なら汗で流れ落ちることもほとんどありませんから、SPF値の低い日焼け止めを選び、必要に応じて塗り直しをすると良いでしょう。

| 持続時間目安 | PA+ | PA++ | PA+++ | PA++++ |
---|---|---|---|---|---|
SPF10以下 | 2時間以下 | 日常生活 | 日常生活 | | |
SPF10~30 | ~10時間 | | レジャー、野外スポーツ | レジャー、野外スポーツ | |
SPF30~50 | ~16時間 | | 登山、炎天下でのスポーツ | 登山、炎天下でのスポーツ | 海外など紫外線が強烈な地域 |

日焼け止めはいつ塗る?ベースメイクの前?それとも後?
日焼け止めはスキンケアの後、ベースメイクの前に塗るのが正解です。
化粧水→美容液→乳液→日焼け止め→化粧下地→ファンデーションの順番で、保湿をしっかりしてから額、両頬、鼻、あごの5点に日焼け止めを置き外側へ向かって優しく塗り広げましょう。
冬の肌の紫外線対策には必ず保湿を
紫外線は肌の水分を蒸発させ乾燥を招きます。潤いはバリア機能となって様々なトラブルからお肌を守ってくれるので、乾燥しやすい冬は特に保湿を意識して紫外線対策を行いましょう。
保湿方法
紫外線対策、すなわち日焼け止めを塗る前には基礎化粧品で保湿を十分に行いましょう。乾燥した肌はキメが乱れデコボコになっているため、日焼け止めの成分が穴に落ちてしまい十分な効果を発揮することができません。スキンケアが終わったら数分の時間を置き、肌にしっかり浸透するのを待ってから日焼け止めを塗るようにすると消しゴムのカスのようなボロボロが出なくて済みます。
乱れたキメを埋めるように入り込むセラミド配合のアイテムを取り入れるのも良いですよ。
おすすめの保湿アイテム
紫外線対策に欠かせない保湿にプラスして、より効果的にダメージを抑えられるアイテムを厳選しました。敏感なお肌にも安心して使える化粧水です。
ビタミンやミネラルを豊富に含み、鎮静作用や保湿効果も得られるアロエベラをはじめ、植物や海藻といった天然成分が凝縮された化粧水です。保湿だけでなく、日焼けをしてしまった後のケアとしてもオススメです。
ニキビ肌へ向けた化粧水ですが、抗酸化作用のあるビタミンA,C,Eを含み紫外線ダメージによる肌老化を抑えます。ビタミンA,C,Eが3つ合わさることで吸収率が高まりより効率的に紫外線対策ができます。
冬の紫外線から髪を守る2つの対策
髪も紫外線の影響を受けやすく乾燥や切れ毛を引き起こしますが、顔や体と同じ日焼け止めを使うわけにはいきませんね。髪を守るためにはどのような対策をとればよいのでしょうか。
帽子をかぶる
ツバの広い帽子を被ることで、髪や頭皮を紫外線から守ることができます。ただし締め付けの強い帽子はムレたり雑菌が繁殖し抜け毛の原因にもなります。冬でもゆとりのある通気性の良い帽子を選ぶようにしましょう。
ダブルトリートメントをする
ダメージをケアするだけでなく、予防策としてもヘアトリートメントはぜひ取り入れましょう。入浴中にダメージ補修効果のあるトリートメントをして、入浴後は椿油などのオイルタイプを使いダブルトリートメントをするのがおすすめです。椿油は紫外線で傷ついたキューティクルを補修し髪を強くする働きがあります。
冬の紫外線から目を守る2つの対策
むき出しの臓器と言われる目は紫外線を過度に浴びることで老眼を進行させたり、失明の危険性もある白内障になるリスクを高める恐れがあります。髪のように生え変わるものではなりませんから日ごろからしっかり対策をしておきたいですね。
帽子をかぶる
髪と同じく、ツバのある帽子を被ることで直接紫外線が目に入ってくることは避けられます。ですが紫外線は地面で跳ね返りますので、長時間太陽の下で行動する場合には帽子だけでは不十分とも言えそうです。
サングラスをかける
帽子にプラスしてサングラスをかけることでさらに効果的に紫外線を防ぐことができます。眼鏡専門店に行けば紫外線カット効果のあるサングラスが販売されていますので、「紫外線カット率99%以上」や「紫外線透過率1.0%以下」などの表記があるものを選びましょう。
紫外線カット効果がなく色が付いただけのサングラスは、暗いので瞳孔が開くも紫外線はサングラスを通過しますので多くの紫外線を目の中に取り込んでしまうことになります。
冬の紫外線対策で年中きれいな肌へ
乾燥によるダメージの大きい冬こそしっかりと紫外線対策をとることで、春夏の本格的な日焼けシーズンに対抗できる丈夫で健康な肌を作ることができます。数年後、数十年後も美しい肌でいられるように毎日のケアを習慣化していきましょう。